※自分の中にある言葉……普段言えないこととか思いとか。

・恋 ・痛みと罰 ・自分 ・黒い心 ・ぼくはそっと君を思う ・孤独 ・吐息 ・沈 ・深海 ・青空 ・隔離 ・私 ・夜空 ・あなたとわたし

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 はみがき

吐き出したはずの言葉が

なんだか歯につっかえて
口の中に残ってる

気持ち悪く
歯痒くて

早く掻き出してしまいたい

それじゃあなたが傷ついてしまうんじゃないかって

自分の歯痒さよりも
気になってしまって
傷をつけないように
何重にもフィルターを張って

それでもまだ心配で
言えずにいる

今も口に残っている
感触だけが
〜TOP〜






 恋

向けられた真っ直ぐな瞳

何気なく発せられた言葉が
胸を鋭く突き刺した

傷がちくちくと緩い痛みを広げ
痛みが様々な感情を生む

喜び 戸惑い

苦痛

そして恐怖

頬の触れた
柔らかい感触

暖かい温盛

そして私は悩む
広がった痛みがきつく胸を締め付ける思いに

息苦しくも
でもそっと胸の奥から暖かいものが込み上げる

君の笑顔の本当の意味が
私の胸中の苦しみの意味が

戸惑いが苦しみを
純粋な心が喜びを

心を裸にして理解して

気付かなければよかった感情
気付いてしまった事への悲しみ

喉元に出かかった言葉を
精一杯飲み込んだ
〜TOP〜






 痛みと罰

何人も自分が居る

色んな一面を人に見せて

自分が何なのか
何者であるのか

理解できなくなる

言い換えても同じだ

最後には傷つけ
私の元を去る
仲直りなんかできない

新しい人がまた私を包み
違う私を作る

時が違う私を生んで
痛みすら忘れさせる

それでも忘れない

私から去って行った人を

思い出し

自分を攻めても
もう元には戻らない

あの人は
もう元には戻らない

忘れた痛みが
いつか自分の身を裂くだろう

きっと他人が受けた痛みが
自分を切り裂いてしまうのだろう

ごめんなさい

きっと最後まで言えないだろう

全ての痛みを受けて
私は涙を流し詫びるのだ

もう滅ぼすことの出来ない罪を
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 自分

眩しい光

覚めない夢

眠れない夜



絞めつけられる胸

苦しい 苦しい

晴れた心

冷めた心

いつか明ける夜

燃える地平線

不安と好奇心

それら全てがバランスを保って

わたしを構成している
〜TOP〜






 黒い心

夜が身体を
どろどろとしたものが動きを縛る

声が出ない

胸が苦しい

光を浴びると
影のように消えるんじゃ無いかって

勝手な妄想で怯えている

お日様の下なんか歩けない

月明かりをおっかなびっくり
とぼとぼ歩くのが精一杯

でもいつか

いつか夜が明けるように

夜露に濡れた水滴が
朝日に輝くように

わたしもお日様の光を浴びて

輝く日が来るのだろうか

まだ夜は身体を覆いつくしている
〜TOP〜






 ぼくはそっと君を思う

夕日に照らされ
空が真っ赤に染まる

空気に太陽の色を染み込ませたみたいに
空気も山吹色に輝く

せみの声も少なくなり

皮膚に当たる風も冷たい

遠くの空は真っ黒な雲が浮かび
中でチカチカとカミナリが光る

もう別れた君の事

あんな黒雲が空を覆い
強い雨音が地面を叩いてたあの日

何も言えなかったぼく

別れを告げた君が

今まで会ってた君じゃない気がして
最初に出会った頃の君じゃない気がして

きっと別の人なんだって
そう心に埋め込んだ

今も逢いたい

夕日が沈んで空気が黒く濁っても

ぼくは君の事を思い続ける
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 孤独

ベッドの中

汗ばんだ服がしっとりとまとわりつく

窓を叩く風の音
地面を走る雨の音

寝返りを打つ

窓から伝わる雨音
隙間から入る風

窓は硬く閉ざされ
カーテンもかけてある

それでも部屋に充満する雨音

そして湿気

寝返りを打つのやめて
私はそっとカーテンの隙間から外をみた

雲ひとつない晴天
眩しく昼間の太陽が照らす

暑くて
眩しくて
カーテンを閉じて再びベッドに入った

響く雨音

私は耳をふさぎ
毛布を頭から被った

意識が遠退き

雨音だけが響いていた
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 吐息

大きく息を吸い込んだ

そのまま息を止め
両目を閉じ
大きく背伸びする

小さくゆっくり息を吐いた

胸の中の重り
取れる事なく残っている

大きく息を吸い込んだ

息が小さく漏れた
涙があふれた
〜TOP〜






 沈

沈めよう

海の底に

もう浮かび上がってこないように重りをつけて

感情を捨ててしまえばいい
笑顔を忘れてしまえばいい

もう生きてることを忘れてしまおう
〜TOP〜






 深海

暗闇が取り囲んでいた

ゆらゆらと歪む世界
遥か頭上を照らす光
青く重い

その中に漂い
指一つ動かせない

肉体を失くし
意識だけが表面に現れ漂う

僕は水面に浮かび上がるように

ゆっくりと意識を取り戻した
〜TOP〜






 青空

吸い込まれるほどの青
澄み切った風

眩しいほどの太陽

僕の身体を清め
僕の身体を暖かく照らす
その一部となったかのような錯覚を覚え

あの雲の一片となって大空を翔る
〜TOP〜






 隔離

わたしを嫌わないで

今もあの頃を思い出す

当たり前のように交わすきみとの会話

わたしの一方的な思いを
ぶつけて傷つけてしまった

そして突然訪れた別れ

今わたしの胸にある塊

苦しい
会いたい
痛くなる胸
なにかがのどにつっかえてる

わたしを嫌わないで

会えないことが寂しいんじゃない

ただ苦しい

わたしを特別に思わないでいい

あの頃のように話せたらそれだけで
この苦しみから逃れられる気がする


〜TOP〜






 私

いつもと同じ天井

いつもと同じ部屋

いつもと同じ自分の匂い

カーテンを開けると差し込む光が
部屋の中を照らす

太陽が部屋を明るく照らしても
わたしの心まで照らしてくれはしない

それでもわたしは覚醒する

目を開け
身体を起こし

立ち上がる

ここは夢ではなく現実なのだ


〜TOP〜






 夜空

なんだか目に入る街灯が邪魔で
手で遮っても強すぎる光

それでも目を凝らして空を見る

小さな光

それをひとつひとつ

つないで星座をつくる

いつも帰り道で迎えてくれるのは

小さな光を放つこぐま座

ただいま
って呟いてドアの鍵を開けた


〜TOP〜






 あなたとわたし

うっすらと眠そうに目を開け
わたしを見つめる

さも興味がないかのように
鼻を鳴らして再び突っ伏した
小さな耳がぴくりと動いた気がする

負けじと名前を読んだ

反応は遅れてきた

ぴくりと耳を動かし

片眉をあげた

わたしが再び名前を呼ぶと
あなたは気だるそうに立ち上がる
しっぽをぴんと立てて

降参しましたとばかりにおなかを出し
わたしの足元でくるりと寝転んだ


〜TOP〜